宮川・ちの地区が担当する「本宮三の柱」
御柱祭に「特別な思い」を寄せて臨んでいる地区があります。去年、土石流災害に見舞われた長野県茅野市宮川の高部区です。御柱を団結の象徴として災害を乗り越えようとしています。
川の水で清められる本宮三の柱。担当は宮川・ちの地区です。地元・宮川でのお清めの放水を住民も見守りました。
宮川・高部区の小林洋一区長。特別な思いで初日を迎えました。
宮川高部区・小林洋一区長:
「御柱というのを機にね、災害あった人は苦しいと思うけど、区民が一致団結で災害を乗り越えていけたら」
去年9月5日夜、下馬沢川で土石流が発生。高部区では全壊9軒、床上・床下浸水68軒と大きな被害が出ました。
小林区長の自宅も…
宮川高部区・小林洋一区長:
「床下浸水になっているので、家の中の床、壊してポンプで水あげてる」
現在の高部区。土砂の撤去は完全には終わっておらず、さら地も目立ちます。地区に戻ってこれない住民もいる中、祭りを迎えたのです。
御柱を曳く綱を作る「綱打ち」の作業。
宮川高部区・小林洋一区長:
「(綱を)よってくると短くなるで、その車がついてくるだ、こっちへ」
山出しはトレーラー運搬になり、綱は5月の里曳き用だけとなりました。
宮川高部区・小林洋一区長:
「今回はもうしょうがないと。潔く山出しを我慢して、なるべくコロナを抑えて、里(曳き)へ向けて、少しでもお祭りができればいい」
迎えた祭り本番。住民が強く願うのは「里曳き」が従来通り、行われること。高部区は御柱街道にあり、住民みんなで曳く御柱が被災した地区を通るのです。
氏子・立石武彦さん:
「一つの区切りまではいかないと思うが、お祭りというところで区民の盛り上がりもあればいいかなと」
氏子・小池柚子貴さん:
「結構、みんな気分がダウンしているような感じもするので、御柱を行うことでダウンした気分をもっと上げていきたいなと」
宮川高部区・小林洋一区長:
「御柱があると一致団結できるような感じで、少しずつですけど復興と明るい方へ、前進していけるのかなと思いますね」
下社の山出しは今月8日、9日に行われ、上社と同じように御柱をトレーラーで運びます。
長野放送[/MARKOVE]