大久保汰佳さん
特集は旅立ちの春です。ニュースで度々、紹介してきた仏像制作に打ち込む高校生、長野市の大久保汰佳さん。この春、故郷を離れて京都の仏教系大学に進学します。目指すは「本物の仏師」です。
大久保汰佳さん
大久保汰佳さん：
「剃り残しがないようにと思っても毎回、必ず剃り残しがある。まだまだ未熟ですね」
長野市の高校3年生・大久保汰佳さん。3日に一度、剃髪するにようになって半年がたちました。
大久保汰佳さん
大久保汰佳さん：
「頭が青くなったところを見ると、きれいだなと」
この春、高校を卒業し新たな一歩を踏み出します。
2020年2月
大久保汰佳さん（2020年2月）：
「自分自身の祈りの形をつくるのは楽しいし、生きる糧」
汰佳さんは幼いころに雑誌で見た「十一面観音」に惹かれて仏像好きとなり、5歳から粘土で仏像を作り続けてきました。その数、300体以上。
大久保汰佳さんが作った仏像
さらに仏教の奥深さに触れ…
自宅の「本堂」
自宅の一室に仏具を取り揃えて「本堂」と呼び、毎日お経を唱えるようになりました。
当時は、まだお気に入りのボブカットでしたが…
高校生で僧侶に（2021年8月取材）
大久保汰佳さん（2021年8月）：
「高尾山薬王院で得度をしました」
2021年7月、仏門に入るための儀式「得度式」に臨み、高校生ながら僧侶となりました。法名は「秀佳」。
大久保汰佳さん（2021年8月）：
「仏様をお作りする上でも自分自身が僧侶となって仏様の教えを学び、仏教の教えを深めていくのが大事なところだと思って」
僧侶になったのは、仏を刻む「仏師」になるための覚悟の現れ。
2021年11月には、関係者と親交があった縁で、天台寺門宗の総本山・三井寺に仏像4体を奉納しました。
大久保汰佳さん：
「よく『身に余る光栄』というじゃないですか。その言葉をここまで深く感じたことはない。ずっと仏様の道で生きていくと約束したようなもの」
この2年間、汰佳さんはある仏像を集中して制作してきました。
十一面観音
大久保汰佳さん：
「すべて十一面観音という仏様。疫病を鎮める霊験があらたかで、そのお得を授かろうと」
「コロナ退散」の願いを込めて10体余りを制作。ただ多くの人に見てもらうはずだった善光寺の宿坊での個展は、感染拡大のため中止になりました。
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