カヤックで湖上をきれいにする活動を協賛者の栗原社長(左)に伝える井川代表(中)
長野県の諏訪湖でカヤック体験のプログラムを提供しているアポルタ合同会社(諏訪市湖南、井川竜太代表)は、諏訪湖を湖上からきれいにする活動を協賛を募りながら今年から始める。諏訪市湖岸通りの衣之渡川から間欠泉までの湖上や河川など約20ヘクタールが対象で、約190平方メートルごとに分けて1034区画を設け、協賛者が希望する場所を1年間、きれいに保つ。1日から個人協賛の募集を始める。
井川代表(29)は、諏訪湖で遊べる新たなアクティビティーとしてカヤックの体験ツアーを2019年に始めた。自らガイドを務め、一緒にこぎながら湖上を案内して湖と諏訪地方の魅力をツアー参加者に伝えてきた。ただ「汚い場所はお客さまに見せたくない」とあえて案内を避けてきたエリアもあった。賛同者の協力を得て諏訪湖をきれいにする構想はあったが、これまではツアーの運営で手いっぱいだった。昨年初めての社員を迎え入れたことで具現化につながった。
「諏訪湖クリーンプロジェクト」と銘打った活動では、きれいにする場所を1区画につき5000円で協賛者に購入してもらう。協賛がついた区画は同社のスタッフが1年間、カヤックなどに乗り、湖上でごみを拾い、異常に繁茂した水草を適正な状態に保つ。諏訪地方の協賛者にはカヤックの無料体験1回、1人分を進呈する。井川代表は「清掃活動などの直接的な関わり方だけでなく、きれいにする取り組みを私たちに託すという間接的な方法も選択肢として提供し、みんなできれいな諏訪湖を守るという機運を高めたい」と語る。
2月から諏訪湖畔の宿泊施設など事業者向けに協賛を提案する活動を続けており、一定の手応えがある。このうち、ホテル紅やは20区画での支援を決めた。栗原等社長(64)は「諏訪湖をきれいにしたいという若者たちの思いに共感した。諏訪湖は重要な観光資源であり、きれいになることは観光客や利用者にとっての切実な思い。活動に協賛するだけでなく、その輪が広がるように協力していきたい」と話していた。
協賛はアポルタ合同会社が運営する「諏訪湖カヤック」のホームページから受け付ける。問い合わせは同社(電話090・7711・3233)へ。
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