ショートトラック競技に取り組む小池克典選手の写真などを見る智行さん(右)と利江さん
熱戦が続く北京冬季五輪のショートトラックに、長野県茅野市出身の小池克典選手(21)=全日空商事、金沢小-長峰中-岡谷南高出=が初出場する。地元・金沢小学校の校庭リンクを原点につかんだ夢舞台。中学時代から練習拠点とする南佐久郡南牧村のリンクまで送迎した両親や、同じ競技の選手である姉ら家族の支えもあり、レベルアップしてきた。「気負い過ぎずに五輪のレースを楽しんでほしい」。新型コロナ禍で現地に出向けない中、両親らは日本から声援を送る。
姉の佑奈さん(25)、佑佳さん(23)を追うように3歳ごろからスケートを始め、水泳にも親しんだ。幼少期は小児ぜんそくで入退院を繰り返していたが、特にスケートに関しては「行きたい、行きたい」とせがんでいたという。
金沢小では6年間スケートクラブに所属し、校庭リンクで基礎を身に付けた。中学生になると、帝産アイススケートトレーニングセンター(南牧村)を拠点に活動する「帝産クラブ」に加入した。父の智行さん(54)、母の利江さん(52)は、茅野市から南牧村まで往復100キロ以上をほぼ毎日送迎。朝練習がある時は1日2往復し、小池選手の競技生活を後押ししてきた。
智行さんは小池選手が中学生の頃から、競技用手袋の指先に付ける保護具を手作りして渡している。コーナーでリンク表面に手をついて回る同競技の選手に欠かせない道具だ。「送り迎えをしなくなり、今はそういうことしかできないから」。世界を舞台に高みを目指す息子を支える。
佑奈さんは現在、東海東京フィナンシャル・ホールディングス(東京)に所属。小池選手と共にナショナル強化選手Aになり、互いにアドバイスし合って切磋琢磨(せっさたくま)している。
五輪では11日の男子5000メートルリレー予選に出場する予定。同日に行われる500メートル予選の出場選手は10日に発表される見通し。
小池選手が北京入りして以降、利江さんらは無料通信アプリ「LINE」でやりとりしている。ショートトラックは失格者が出るなどレースが荒れ気味のため、「落ち着いてね」と送ると、「レースがすごく楽しみ。早く滑りたい」との内容の返信があったという。智行さんは「ワールドカップとは違う雰囲気だと思う。けがをせず、楽しんでほしい」と話している。
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