寒さ厳しい山あいの清流に玄ソバを浸す店主たち
長野県茅野市のブランドとして定着しつつある伝統製法による「献上寒晒し蕎麦」を受け継ぐ市内のそば屋の店主でつくる「八ケ岳蕎麦切りの会」(宮坂新一会長、6人)は17日、同市の山あいの清流で仕込み作業をした。会員が自分たちで育てた玄ソバ200キロを寒中の清流に浸した。
寒晒しは、秋に収穫したソバを翌年の夏においしく食べるために昔の人が考えた保存法。玄ソバは1週間ほど川に浸した後、1カ月半~2カ月寒風にさらして乾燥させ、製粉会社の倉庫で保管。雑味が取れ、上品な甘みともちもちした食感のそばとなる。江戸時代に高島藩から将軍家に献上されたという。
川岸で塩をまきお清めをしてから作業。気温、水温ともに氷点下4度、雪も降る中、少し深さのある場所に、10キロくらいずつ小分けにした網の袋を一袋ずつ沈めていった。
寒晒し蕎麦は7月下旬から会員店舗で提供される。宮坂新一会長は「リピーターも増え人気。今年は寒さも厳しくさらにおいしい寒晒し蕎麦になりそう」と期待していた。
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