県は昨年11月25日に県独自の感染警戒レベルの基準を改定し、県の医療アラートと統合して、レベル「4」では「医療警報」、「5」では「医療非常事態宣言」を発出することにしている。
県内の新規感染者数は10日までの1週間で人口10万人当たり28.71人と急増して「4」の基準(10人)に達していたが、病床使用率は11日午後8時時点で23.8%と基準(25%)を満たしていないため、これまで引き上げを見送っていた。阿部知事は、近く病床使用率も基準を上回るとの見通しでレベル引き上げの方向性を打ち出した。
県の調査では今月3~9日の県内の感染者のうち約7割がオミクロン株に感染した疑いがある。阿部知事は、感染の第6波は第5波のデルタ株による新規感染者の発生のスピードを「はるかに上回る」ものの、入院者数は伸びていない上、オミクロン株の感染者のほとんどが軽症か無症状であると説明。飲食店への時短要請などは行わない考えも示した。
阿部知事は同日、県市長会、県町村会それぞれの役員とワクチンの追加接種について意見交換した内容も説明。接種可能となる日から1カ月以内の接種ができるよう努めることや、高齢者のさらなる前倒し接種、一般の前倒し接種の方針が国から示された際には対応できるよう準備を進めることで同意した。
前倒し接種の対象となっている医療従事者は1月末まで、高齢者施設の入所者や従事者、長期入院患者が多い病院や有床診療所の入院患者は2月末まで、通所サービス利用者と従事者や高齢者は3月末までに接種できるよう努める方針も決めた。県は接種会場の設置やワクチン供給の調整、医療人材の派遣などで市町村を支援していく。[/MARKOVE]