「ベルーフ」のいけす 水は手作業で毎日替えている
2021年9月に長野県茅野市で発生した土石流災害。被害が大きかった地区にある「信州サーモン」の加工卸の会社は、3カ月以上がたった今もいけすに水が来ない状況が続き、早く復旧してほしいと訴えています。
信州サーモンの刺身
長野県が開発したブランド魚「信州サーモン」。12月8日、茅野市宮川高部の食品加工卸の「ベルーフ」では、社長の木津南さんと妻の和枝さんが魚をさばく作業に追われていました。
ベルーフは15年ほど前から、佐久市の養魚店から「信州サーモン」を仕入れ、諏訪地域の飲食店に卸してきました。
しかし、魚を一時保管するいけすは今、水路から水が来ない状況となっています。
ベルーフ・木津南さん:
「生きいている魚をさばかないとおいしくないので、生かしておくのに水が必要」
土石流発生直後の高部地区
2021年9月5日、高部地区を流れる下馬沢川で土石流が発生。周辺の住宅に土砂が流れ込み、9棟が全壊しました。
木津さんの会社もいけすに土砂が流れ込み、前日に仕入れた約50匹のサーモンは全滅。業務用冷蔵庫なども故障し、被害額は400万円を超えました。
土砂の撤去作業などは災害から1週間後に終え、業務を再開させましたが、大きな問題に直面しました。いけすに水が来なくなっていたのです。
NBS長野放送
取水口や地中の土管が土砂で埋まってしまい、災害から3か月がたった今も復旧作業は進んでいません。
水道の水は塩素などが入っているため魚の保管には使えず、木津さんは毎朝、自宅近くの川から水を汲んで、いけすに運び入れています。
木津南さん:
「一日に一回くらい水を入れないと、酸欠になっちゃうんで。早く復旧して元通りになることをお願いしたい」
ベルーフ・木津南社長
妻・和枝さん:
「災害の後に頑張ってやろうと思えたのは、注文してくれるお客さんのおかげなので、水が来るまで頑張って、水の入れ替えをしようと思っています」
現在も影響が続く土石流災害。茅野市農林課は「復旧工事に向けて県と協議している。出来るだけ早く着工したい」としています。
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