営業を再開した老舗書店「書肆 朝陽館」(長野市)
特集は減り続ける「まちの書店」です。長野市の中心市街地で2019年の大みそかに閉店した老舗書店が、このほど再オープン。店を受け継いだ夫婦の思いが詰まった「本好き」にはたまらない空間となっています。
書肆 朝陽館
長野市の中央通りで2年ぶりに営業を始めた「朝陽館」。歴史を感じさせる看板は以前のままです。
店の看板
重盛アナウンサー:
「店内の雰囲気、ガラッと変わっています。木のぬくもりも感じることができます」
木のぬくもりを感じる店内
こちらは、2年前の店内。
2019年
明治元年の創業から150年続く「まちの書店」でした。ただ、ネット書店の台頭や活字離れなどもあり、売り上げは減り続け、5代目の荻原英司さんは店を畳む決断をしました。
朝陽館 荻原書店5代目・荻原英司さん(2019年12月)
朝陽館 荻原書店5代目・荻原英司さん(2019年12月):
「(店は)長野の活字文化をつないできた。それを私の代で閉じざるを得ないのはじくじたる思い」
2019年の大みそか、惜しまれながら閉店…。
あれから2年…。
書肆 朝陽館・荻原英記店主
書肆 朝陽館・荻原英記店主:
「懲りずにまたやります!」
12月10日、朝陽館が街に戻ってきました。
荻原英記さんと陽子さん夫婦
6代目として引き継いだのは先代の娘夫婦、荻原英記さん(46)と陽子さん(42)です。
カフェスペース
以前、カウンターのあった場所は、カフェスペースに。座り心地の良さそうな木のイスやテーブルが並びます。
ちょうちん
ちょうちんは地元商店街で発注…。
奥に並ぶ本棚も表情を変えていました。
重盛アナウンサー(左)
重盛アナウンサー:
「一般的な書店はもう少し高いところまで本が積み上がっている印象…」
話:荻原英記店主
書肆 朝陽館・荻原英記店主:
「長い時間、店にいてほしいので、なるべく疲れないよう、目線だったり、しゃがんで本をひろうことがないように、下は高めに、上は低めに。100年もつための本棚で(時間の経過を)積み重ねと感じられる店にしたかった」
話:荻原英記店主
丈夫な無垢材の棚。実は、ほとんどを夫婦2人の手で作りました。
棚は夫婦2人の手作り(2021年8月)
予算も限られる中、英記さんが電気の配線の資格も取って挑戦しました。
提供 朝陽館
記録用のカメラにはガランと何もない空間がゆっくり、少しずつ生まれ変わっていく様子が写っていました。
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