NBS長野放送
長野県木曽町では、2021年8月の大雨で木曽川沿いの「崖家造り」の建物が被災。住民は、4ヵ月がたった今も避難を余儀なくされています。
被災した林祐彦さん:
「見慣れたいい景色なんですけどね。子どもの頃からよくここで遊びましたし、釣りもしましたし、まあすっかり変わってしまいますけど…」
橋の上から木曽川を眺める林祐彦さん。お盆の大雨以降、生活が一変した1人です。
お盆に長野県内を襲った大雨。各地で大きな被害があり、岡谷市では土石流が発生。母と子ども2人の計3人が犠牲となりました。
激しい濁流となった木曽川では、木曽町福島上町で護岸が約50メートルに渡って崩落。川沿いのいわゆる「崖家造り」の建物が被災し、6世帯10人が避難しました。
あれから4カ月。護岸にコンクリートを吹き付ける仮工事は終わっています。
長野県木曽建設事務所企画幹兼整備建築課・西山広一課長:
「本工事自体は、来年の渇水期(10月ごろ)になると思います。もう一回、今回のような大雨が来た時に再度、被害が遭わない形にしていくことが大事」
本復旧には住居部分の取り壊しも必要とされ、完了の目途は再来年の春。避難生活は長期化の様相です。
150年以続く豆腐店「田中屋」を営む林さん。店は被害を免れましたが、2軒隣にある自宅が被災しました。
被災した林祐彦さん:
「川の流れる音もすごいんですけど、中で石と石がぶつかるんです。石の音がすさまじかったです。(玄関口も崩落したので)この隙間を出てきました、家族全員。室外機もあって狭いので、やっとここを抜けて避難してきました」
避難先の町営住宅から店に通って営業する日々。林さん自身は戻りたい気持ちがありますが…
林祐彦さん:
「家族がこの場所は怖くてこの先は住めないと言ってる。家族も心のダメージをかなり受けていると思います」
被災地の復旧は進むものの、被災者の生活や気持ちが元に戻るにはまだまだ時間が必要です。
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