幅10メートルにわたり陥没した国道142号の現場。ボーリング調査(写真奥)後、本復旧工事に入る
今年8月の豪雨災害で道路が陥没し、通行止めが続いている長野県下諏訪町新町上の国道142号の災害復旧工事が11月中旬から進んでいる。これまでに同町が担当する上水道と下水道の移設工事が完了。現在、県はボーリング調査を進めており、調査結果を踏まえて1月中にも陥没した道路の本復旧工事に着手したい考え。
同事務所によると、国道の陥没は、大久保沢から流れてきた大量の土砂と水で142号と交差する暗渠の入り口部分が詰まり、行き場を失った水が道路内の石積みに浸透して重くなり、暗渠の天井部分が支えきれなくなって抜け落ちたことが原因。陥没は最大幅10メートルほどにわたる。
復旧工事に伴い、陥没箇所に埋まっていた上水道と下水道の移設をまずは実施。大久保沢上流に上水道と下水道の仮設の配管を迂回させ、上水道は切り替え済み。下水道は年明けに切り替える。上・下水道の工事費は総計約3600万円を予定。
県の本復旧工事では、現状よりも多くの水を流すことができるボックスカルバート(管路)を新設し、大型ブロックを積み直し、陥没箇所を埋めてアスファルト舗装で車道と歩道を復旧する。来年4月の諏訪大社御柱祭下社山出しまでに歩行者の通行が可能となるよう工事を進めていく。現場上流に新設する土砂止の工事は5月中旬の下社里曳き後に着手し、全体の工事完了は7月上旬になる見通し。総事業費は約1億円。
工事を担当する県諏訪建設事務所整備第二係は「同じような災害にも耐えうる堅固な構造物を安全に施工していきたい」とした。
現場近くの空き家を所有する男性は「観光道路でもあるが生活道路なので早く車が通れるようになれば。再び水が出ないよう、しっかりとした工事をしてほしい」と話した。
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