佐久市長に報告する高校3年生の深町茉結さん(27日・佐久市役所)
医療従事者を母に持つ佐久市の女子高校生が外国人とのコミュニケーションに苦労している医療現場の実態を調査し、市に報告しました。
調査したのは上田染谷丘高校3年の深町茉結さんです。
深町さんは助産師の母が外国人とのコミュニケーションに苦労していることをきっかけに、このほどアンケートを実施。医療機関2施設や日本語教室と連絡を取り、医療従事者158人、佐久地域に住む外国人24人(ベトナム人30%、フィリピン人21%、アメリカ人17%など)から回答を得ました。実施期間は今年8月から10月です。
約3割は病院に行くのをためらったり、我慢したり…
深町さんのアンケートより
コミュニケーション上でトラブルが起きたという医療従事者は14パーセントにとどまりましたが、外国人の回答ではコミュニケーションの問題で、病院に行くのをためらったり、我慢したりしてしまうという人が27パーセントにのぼりました。
「一人で日本の病院に受診することは可能ですか」という問いでは、48%の外国人が「不可能」と回答しました。深町さんは「病院に行っても、苦痛でいつもは理解できる日本語がわからなくなる外国の方もいる」と指摘しました。
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約4割の医療従事者は翻訳機や通訳を介していることがわかりましたが、現場によって偏りがあり、翻訳機や通訳を求める声が多く寄せられたということです。また普及しているスマホの翻訳アプリを使っても、言語によっては誤訳があるとの声もあったということです。
「日本人患者と差がない対応ができれば」
佐久市長に報告する高校3年生の深町茉結さん(27日・佐久市役所)
深町茉結さん:
「今は翻訳アプリもあるが、言語によっては誤訳も多い。医療従事者が外国人の患者の対応で不安を抱えず、日本人の患者と差がないような対応ができるようになればと思う」
報告を聞いた柳田市長は「医療は専門用語も多い。市でも調べ、必要な措置を講じなければならない」と応じました。
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