富士見町味の会の小林久子会長(前列右)と一緒に「富士見高原みそ」をPRするメンバー
長野県富士見町の大豆とお母さんの手で作られる「富士見高原みそ」を新型コロナの影響に伴う危機から救おうと、町内で販売促進プロジェクトが始動した。例年だと9月頃に完売するが、イベントの中止や観光客の減少が響いて、現時点で2トンが売れ残っている状況。おいしいみそが廃棄される事態を回避したいと、住民有志とお母さんたち、配達会社がスクラムを組んでみその”お届け販売”も始める。
30年の歴史がある手作りみそで、富士見町味の会(小林久子会長、21人)が土づくりから大豆栽培、空気を入れて発酵を促す「天地返し」まで行う。まろやかな甘口で根強い人気があり、野菜スティックやチーズにも良く合う。
町内のNPO法人「こどもの未来をかんがえる会」、合同会社「きざし」、町商工会で構成する「富士見まちづくりラボ」が窮状を知り、販促活動や連携を開始。年内に売り切らないと来年用の仕込みができず廃棄につながる恐れもあり、町内の配達会社「はなまる屋満天商店」との連携で、11月中旬~12月初旬にお届け販売をすることにした。
A・コープファーマーズ富士見店の直売コーナーなどで販売しており、「食べて応援しましょう」と店頭購入も呼び掛け。「ツクツク」でのネット販売も実現した。ラーメン店をチェーン展開するテンホウ・フーズ(諏訪市)も協力し、富士見高原みそのみそラーメンと馬もつ煮を町内と茅野市の一部店舗で提供する準備を始めている。
宅配の価格は配送料込みで2キロ1800円、5キロ4000円。売り上げの一部は町内の子ども支援に役立てる。配達エリアは町内と原村で、注文用紙を諏訪信用金庫富士見東支店、きざし、JR信濃境駅前「ひこうせん」などの店舗に置いている。
同商店は「味の会の思いを一緒にお届けしたい」と意気込み、同法人の中島恵理代表は「地元の皆さんに良さを知ってもらい、地元のファンを増やす機会にもしたい」と話す。メンバーは、みそ作りの担い手が増えることも期待している。
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