JR茅野駅の自由通路に設置した本棚の本を手に長いすに座ってくつろぐ男性
長野県茅野市は、「本を通じて人がつながる」ことを目指してJR茅野駅周辺で空間利用に関する社会実験を行っている。同駅の自由通路では「本の巣箱」と名付けて本棚を置いて本を貸し出し中。駅利用者が本を手に取ったり、保育園から借りた長いすに座って休んだりする姿が見られ、「観光客や別荘利用者らいろんな人が利用している」と市都市計画課。駅周辺の店舗ではスタンプラリーを同時開催している。24日まで。
自由通路には本棚が自由通路に5個あり、絵本や小説、新書など約20冊ずつ入っている。備え付けのノートに記入すれば借りることができる。駅前ビル「ベルビア」で一般向けに本棚を貸す「まちライブラリー」を開設している一般社団法人が本を用意した。駅の待合にも駅員が本を並べている。
茅野駅で電車を降りて原村にある別荘に向かう前に長いすに座って休んでいた埼玉県在住の男性(83)は「こうした環境は他の駅にはあまりないのではないか」とくつろいでいた。
24日まではベルビア内や駅周辺の計40店舗余で「スタンプラリー」を実施している。店主らが勧める本を店に置いてもらい、来店客と交流するきっかけにしている。
23、24日には興味のある本を持ち寄るなどしておしゃべりを楽しむ「植本祭」を茅野市民館イベントスペースなどで行う。両日には自由通路で古本市も計画している。
社会実験では市が計画する同駅西口駅前広場リニューアルを踏まえ、イベント開催前後の人の流れの変化などを検証する。市都市計画課は「駅に利用者の居場所をつくることで人のつながりが出てくるのではないか」としている。
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