今井竜五市長(左)らから土石流発生の状況を聞く赤澤亮正内閣府副大臣(中央)=岡谷市川岸東の土石流災害現場
大雨で大きな被害を受けた岡谷市を24日、防災担当を務める内閣府の赤澤亮正副大臣が訪れ、土石流に巻き込まれて3人が死亡した同市川岸東の災害現場などを視察した。今井竜五市長をはじめ市や県の担当者の案内で現場を確認。復旧や防災に必要な支援について意見を交わしたほか、市と県から大雨災害に関する要望書を受け取った。内閣府や県、市から約20人が参加した。
赤澤副大臣は被害住宅の近くで、航空写真を見ながら土石流の発生源2カ所の場所や土砂流出量など被災状況を聞き、住宅裏に残る土石流の跡を視察。2006年7月の豪雨災害後に築造した同市湊の小田井沢川4号砂防えん堤にも足を運んだ。市土木課によると、今回の大雨では市内数カ所の砂防・治山施設が下流への土砂流出を食い止めたといい、赤澤副大臣は土砂や流木がたまるえん堤を見た。
市が提出した要望書は▽激甚災害の指定および災害応急対策等への財政措置▽砂防えん堤等に堆積している土砂等の早期撤去▽被災地の安全確保に向けた砂防えん堤の築造―の3項目。公共土木施設や農林水産基盤の復旧、復興の支援、今後の災害に備えた砂防えん堤等の機能回復などを要望した。今井市長は「復旧復興を進めるためには国の力添えが必要不可欠」と支援を求めた。
赤澤副大臣は取材に、視察で砂防えん堤の効果を再認識したとし「予算を確保して砂防えん堤がない所には造り、ある所は流木などを排除して機能を回復させることが絶対的に必要と強く認識した」とコメント。川岸東の被災地には「砂防えん堤ほどの大規模なものではないが、今回と同じぐらいの雨が降り、土砂が流れた際に同様の事態に至らない工夫を考えていかなければならない」と防災対策の必要性に言及した。
[/MARKOVE]