富岡郁夫准教授(右)の指導で大学構内で採取した花を実体顕微鏡で観察する小学生
信州大学農学部(長野県南箕輪村)の応用生殖科学研究室は7日、同大学伊那キャンパスで小学5、6年生向けの実験体験教室「ミクロの世界を見てみよう!~夏の風物詩 プランクトンすくい」を行った。30人の子どもたちが顕微鏡を使ってミクロの世界を観察。小さな細胞をつかむことができる「マイクロマニピュレーター付き顕微鏡」を使ってプランクトンをつかまえる体験もした。
文部科学省の科学研究費助成事業で取り組んでいる最先端の研究成果に触れてもらい、科学の面白さを感じてもらおうと計画したプログラムで、信大農学部では初めての開催。同研究室の富岡郁夫准教授を講師に実験や講義を行い、ミクロの世界を見る楽しさや面白さを体験する機会を提供した。
「見る」ことの本当の意味を知ることが教室の大きなテーマ。富岡准教授は「私たちは実はほとんど真実の姿を見られていない」と話し、印刷物の文字が点の集合体であることなどを実物を拡大して説明。「ミクロレベルで見ると気付かなかったものが隠されていることが分かる。見えないところまで見る、感じる、気付く力を身に付けてほしい」と呼び掛けた。
子どもたちは大学構内で採取した植物やセミの抜け殻、鳥の羽根、木の皮などを実体顕微鏡で観察した。鳥の羽根は先端と根元で羽毛の形状が違うことを確かめ、飛ぶための機能や水をはじく機能、体温を保つ機能を想像した。理科が好きで参加したという6年生の女子児童は「自分の目で見て確かめることが楽しい」と瞳を輝かせた。
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