善光寺の本堂にある「びんずる尊者像」 2020年撮影
5日朝、長野市の善光寺の本堂に置かれた「びんずる尊者」の木像が盗まれた。その後、像は松本市内で発見され、警察は盗みの疑いで熊本県の男を逮捕した。
【動画で見る】善光寺「びんずる尊者像」盗まれる 防犯カメラに作業服の男…1人で毛布のようなもので包み運び出す 熊本県の34歳男逮捕
警察官4人がかりで運ばれる「びんずる尊者像」
警察官4人がかりで長野中央警察署に運ばれる木の像。善光寺本堂に置かれていた「びんずる尊者像」だ。
5日朝に盗まれ、その後、松本市内で発見。中央署に運ばれてきた。
「びんずる尊者像」が盗まれる
5日午前8時半過ぎ、善光寺から「びんずる尊者像が無くなっている」と警察に通報があった。残っていたのは台座と座布団のみ。像だけが盗まれていた。
すでに参拝者もいる午前8時から8時半の間に盗まれたという。
びんずる尊者像は「体の悪い部分と同じところを撫でると治る」とされている。300年以上安置されているとされ、「なで仏」として多くの参拝者に親しまれてきた。
善光寺
警察によると、防犯カメラには作業服を着た男1人が毛布のようなもので像を包んで運ぶ様子と男が乗り込んだ乗用車が映っていたという。
松本市内で防犯カメラに映っていた乗用車を発見 提供:目撃者
事件発覚から2時間半後、警察は松本市内で防犯カメラに映っていた乗用車を発見。車の中から像も見つかった。
容疑者が乗っていたとみられる車
目撃者:
「駐車場に警察の方がたくさんいらっしゃって、何かあったのかなと。促されるまま車に乗っていくような感じでした。最終的には(警察車両)10台ぐらいで駐車場も車が入れないくらいで囲まれていた。盗まれたこともびっくりしましたし、自分の身近で見つかるとは思っていなかったので、思ったより早く見つかってよかった」
警察に運び込まれた「びんずる尊者像」
そして、盗みの疑いで熊本県御船町の森本晋太郎容疑者34歳を逮捕した。
容疑者の身柄は午後1時前に長野中央署に移された。容疑を認めているという。
そして、「びんずる尊者像」も運び込まれた。
警察によると目立った傷などはないという。
善光寺・林明晋寺務総長
善光寺・林明晋寺務総長:
「朝方に盗難に遭いまして、県警の尽力によってお昼前くらいにびんずる尊者像の無事は確保されたと。大変、信仰を集めているものですので、(盗難に遭って)悲しい思いをしております。防犯対策の方は、人員の配置の見直し、防犯カメラの増設とうとう検討していきたい。きょうはお騒がせをして申し訳ありませんでした。長い時間ずっと観察していて、人員が手薄になるところを狙って一人で抱えて持っていたようであります。これを教訓にして、警備・防犯体制を再考していきたい。びんずる尊者様は、触ってその場所を治すという信仰がありますので、今後も普通に触れるようにこちらに安置したいと思います」
善光寺
警察は容疑者が作業服を着ていたこともあり、仮に目撃していた人がいても業者などと勘違いした可能性があるとみている。
像は高さが83.4センチ、重さは分からないという。善光寺によると、かなり重いということだが、警察は単独犯とみている。
なぜ、盗んだのかなどくわしい動機を追及している。
[/MARKOVE]