別れを惜しむ客で行列
長年愛されてきた洋食店の閉店です。長野県松本市の「盛よし」は、店主の病気などを理由に店舗での営業を10日で終え、15日から「感謝弁当」を販売しています。別れを惜しむ多くの客が詰めかけました。
「感謝弁当」
大きなハンバーグが焼きあがっていきます。それを弁当に…。
店の外では、待ちわびた人たちが行列を作っていました。
ここは松本市の洋食店「民芸レストラン 盛よし」です。行列の訳は…
先頭で待つ客:
「(何時から並んでる?)8時半です。もう最後と思うともう1回、食べたい」
行列に並ぶ客:
「すごく寂しいですね、こういうお店がなくなるのは。残っていてほしいです」
「盛よし」
市民や観光客に長年愛されてきた「盛よし」が近く営業を終えることになりました。
1979年に須沢盛義さんが開業した「盛よし」。民芸調の家具などが並ぶ店内が特徴で、ハンバーグやエビフライ、カニコロッケなどが人気メニューでした。店の名前の通り「盛」も良く、市民や観光客から愛されてきました。
しかし、創業者の須沢さんは2022年8月から体調不良で店に立つことができず、後を継いだ長女(46)も先週、体調を崩し営業を続けられなくなりました。
そして、急きょ3月10日に通常の営業を終えました。
突然の事態。食材が残っていたことから従業員などが15日から「感謝弁当」を販売することを決めました。
創業者・須沢盛義さんの孫・洸一郎さん(19)
手伝いをしているのは、創業者・盛義さんの孫、洸一郎さん(19)です。長野市の調理師専門学校に通っていて、これまでも休みの時には店を手伝ってきました。
盛義さんの孫・須沢洸一郎さん:
「おじいちゃんやお母さんがやってきたことは、絶対に無駄にしたくない気持ちは強くあったので、最後の最後まで来てくださるお客さんを一番だと思い、全ての人に幸せを届けたい」
「感謝弁当」は人気メニューだったエビフライやハンバーグが入ったものなど6種類を用意しました。
販売開始の正午前。店の前にはおよそ300人が列を作りました。130食の用意だったため整理券も配ることになりました。
先頭に並んでいた女性:
「買えました。(家に)帰って食べます)」
30代男性:
「感慨深いですね。一生忘れないように、かみしめながら食べたいと思う。(盛よしは)青春そのもの」
およそ1時間半で完売。16日も「感謝弁当」の販売を予定していますが、食材が終わり次第、終了するということです。
40年以上愛されてきた洋食店。創業者・盛義さんの孫・洸一郎さんはいつか、「盛よし」の味を復活させたいと話しています。
盛義さんの孫・須沢洸一郎さん:
「マイナスと捉えるのではなく、プラスに考えて頑張っていきたい」
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