移動販売車に備えた縦型回転グリルで鶏肉をカットするイムランさん。「大勢来ていただいて本当にありがたい」と感謝した
トルコ出身で長野県富士見町富里在住のオズデミル・イムランさん(46)が、大地震に見舞われた母国の支援につなげる移動販売を始めている。トルコ料理ケバブを販売し、売り上げの半分を大使館を通じて被災地に届ける。5日は同町蔦木河原の国道20号沿いにある道の駅「信州蔦木宿」で行い、地域住民や観光客ら約250人(組)が来店。夕方までに完売し、イムランさんは「応援は本当にありがたい」と感謝の言葉を繰り返した。
2004年の来日後、同町に移り住み、母国から直輸入するオリーブ製品を販売している。大地震では震源地に近い街で暮らしていた母と妹が被災。幸い無事だったが、住まいは損壊し、現在は故郷に身を寄せている。
「遠い地にいる自分にできること」として、先月から移動販売を始めた。4日は料理店の開業準備をする長野市内で行い、この日は地元の信州蔦木宿に初めて出店。縦型回転グリルで鶏肉の塊を香ばしく焼き上げ、妻の町田志乃果さん(45)、長男(17)が生地に挟んだり、生地で巻いたりして提供した。トルコアイスも人気を集めていた。
イムランさんと同じ職場で働いたことがある富士見町乙事の女性2人は「トルコは親日国。イムランさんの料理を味わうことで、東日本大震災の際の日本に対する支援の恩返しがしたい」。イムランさんは「孫に食べさせたい、トルコを支援したいと、開店前から待ってくれたおじいちゃんもいた。涙が出るほどうれしかった」といい、「応援してくれる日本の皆さんの姿も母国に届けます」と話した。
今後の出店情報は、インスタグラム(@lydianolive)で発信する。
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