■荻原市長が「廃止」表明
長野市・荻原健司市長(市議会 3月2日)
3月1日に荻原健司市長が「廃止」を表明した長野市の青木島遊園地についてです。2日の市議会でも議員から質問が相次ぎ、市長は改めて「反省し、今回のことを検証したい」と述べました。地方自治の専門家は「区長会に丸投げしすぎたのではないか。もう少し早い段階で市が対応した方が良かった」と話しています。
長野市の青木島遊園地。存続か廃止かで揺れましたが、1日に荻原健司市長が「廃止」を表明しました。「遊園地が借地ですでに新たな利用が決まりこれ以上借りられなくなった」ことを理由にあげました。
■市議会で市の対応の質問相次ぐ
長野市議会(3月2日)
2日の市議会では市の対応に質問が相次ぎました。
改革ネット・倉野立人議員:
「事の発端から結末まで全て市民に押しつける姿勢、間違っていると言わざるを得ない」
長野市・荻原健司市長:
「一連の経緯は反省し検証すべきだと思っています」
■区長会「廃止やむなし」 市が「廃止」の方針
青木島遊園地(長野市)
青木島遊園地は一部住民の「子どもの声がうるさい」という苦情後、2021年から隣の児童センターは利用を中止しました。
その後、区長会が使われない公園に対し「廃止やむなし」とし、これを受け市が一度廃止の方針を決めています。
■「市がもっと早く問題に関わった方が…」
青木島遊園地(長野市)
市民からも市がもっと早くこの問題に関わった方が良かったのではとの声があがっています。
市民:
「これで解決するか疑問です」
「途中から『存続』で盛り上がりましたよね。(市は)もうちょっと早くから話し合いをやっていればよかった」
■住民の合意形成はどうだったのか…
長野市には32の住民自治協議会
存続か廃止かで揺れる中、住民の合意形成はどうだったのかという声があがっています。
長野市はいわゆる都市内分権を進め32の住民自治協議会があります。
この中に各区ごとに区長がいて、地域ごとに区長会が存在します。
区長会が「廃止やむなし」とし、市がその意見に沿って廃止を決定
今回の問題ではまず、区長会が「廃止やむなし」とし、市がその意見に沿って一度廃止を決めました。
しかし、実際には住民から存続を求める声が相次ぎました。
ほとんどボランティアのような立場で活動している区長。
■専門家「区長会に丸投げしすぎたのでは」
長野県立大学・田村秀教授(地方自治など)
地方自治の専門家は、区長に住民の意見を集約するのは難しいとし、今回のような問題はどこかで市が対応した方が良かったと話しています。
長野県立大学・田村秀教授(地方自治など):
「(長野市が)区長会に丸投げしすぎたのではないか。もう少し早い段階で市も中に入って相談した方がよかった。(今)自治会、区長会はあまり機能できない。住民ニーズの多様化で(区長らが)対応できない。(区長は)ボランティアのような形ですから行政、第三者を入れないと問題解決にはならない」
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