卒業式を翌日に控え、マスクを着用した生徒たちが予行練習に臨んだ諏訪実業高校
長引く新型コロナウイルス感染症の流行で、3年間をマスク姿で過ごした高校生。卒業式直前の2月、国は歌の場面を除いてマスクを外すことを基本とする通知を示した。1日に卒業式を開いた長野県諏訪地方の高校では、マスクを外し、晴れやかな笑顔で友達と新たな門出を祝う生徒が見られた一方、翌日に式を控えた高校では「あしたマスク外す?外さない?」「いまさら外せない」など、さまざまな声が聞かれた。
■「個々の判断」
1日、卒業式を開いた富士見高校(富士見町)は県教育委員会の方針に従い、生徒、教職員はマスクを外して出席しても良いとし、最終的には「個々の判断」とした。入場した卒業生は、マスクを着けていない生徒が半分ほど。すがすがしい表情で学びやを後にした。
一方で、外すことに戸惑う生徒も。
2日に卒業式を開く下諏訪向陽高校(下諏訪町)も県教委の通知に準じ、卒業生、在校生ともに外してよいとし、着脱の判断は個人に委ねる。感染拡大防止のため、在校生の出席は座席の間隔を空けるため2年生のみとする。
男子生徒(18)は「マスクなしはうれしいけど、周りが付けていれば付けるかも。顔でその人の感じが分かるので、マスクなしの方がいい」と胸の内を明かした。
■式典では着用
「マスクに慣れたし、顔を隠したい。外すのは抵抗がある」と話すのは、諏訪二葉高校(諏訪市)の生徒(17)。同校は入退場時のみ外してもよいとしており、大学入試を式後に控える生徒への配慮として式典では着用を求めている。
着用への”同調圧力”は感じないとしつつ「外す人いるのかな。みんなが外したら合わせるけど…」と別の生徒(18)。県外に進学が決まっているという生徒(18)は「ずっとマスクだったからいまさら取れない。人の印象が変わるから、進学後もしばらくは着ける」と話した。
■小中学校は規模に合わせた対応
3月中旬に卒業式を控える公立小中学校は、各市町村教委の方針を踏まえた上で、各校の規模に合わせた対応が求められている。岡谷市のある小学校は、卒業生は歌の場面では着用を求める。保護者は1家庭2人までに制限し、在校生と保護者はマスク着用を原則とする。茅野市のある小学校は、卒業生と教職員のマスクなしについて「マスクを外すのではなくしなくてもいいですよ、という考え。結果的には本人(各家庭、児童生徒)の判断」としている。
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