中沢維斗さん(11)
重い心臓病を患いアメリカで移植手術を受けた長野県佐久市の小学5年生。母親などが会見を開き、医療費の支払いを全て終えたと発表しました。円安などで追加費用がかかる可能性もありましたが、交渉の結果、1700万円ほどで済み、再募金は必要ないとしています。
【動画で見る】アメリカで心臓移植11歳男児のため募金2億5200万円 「大幅値引き」で支払い完了
ゆうちゃんの母・中沢加代さん:
「多くの皆さまの温かい思い、ご支援のおかげで元気に息子が生きることができていること、言葉で表すことができないほど、感謝の気持ちしかありません」
募金活動(2021年11月)
佐久市の小学5年生「ゆうちゃん」こと中沢維斗さん・11歳。難病の「拘束型心筋症」を患い、アメリカで心臓移植手術を受けるため、2021年11月から、「ゆうちゃんを救う会」が募金活動を行い、2億5200万円余りが集まりました。
手術後
2022年2月にアメリカ・テキサスの病院に渡ると10月にドナーが見つかり移植手術に成功。年末に帰国し、2年4カ月ぶりに自宅に帰ることができました。
当初、医療費や渡航費として集まった金額の中から2億3000万円ほどを支出。
しかし、渡米後に体調が悪化し、補助人工心臓装置をつける手術を受けたことや円安の影響でさらに3億円以上請求される可能性がありました。
そこで、「ゆうちゃんを救う会」は病院と値引き交渉を重ね、追加の請求は1700万円ほどに大幅に値引きされたということです。
当初の余剰金で追加請求分も充てることができ、これですべての支払いが完了したということです。
母・中沢加代さん
ゆうちゃんの母・加代さん:
「(息子に)毎日話しているのは、『みんなにありがとうだね』ということ。全ての人への感謝の気持ちを忘れず、いただいた命を大切に育てていきたい」
一方、父親の智春さんは医療費の不足を見込んで2022年12月独自に「支える会」を立ち上げ、「再募金」を始めていました。1月上旬までにおよそ1000万円が集まっていて、今後の対応を検討することにしています。
母・加代さん:
「夫が会を立ち上げ、世間様を巻き込んでしまって私の責任だと思う、申し訳ありません。きちんと(募金した)皆さまに納得いく形でどこかに寄付をするのかは分からないが、(使いみちは)きちんとした形で明確にしてもらいたいと伝えてあります」
また、「救う会」も余剰金が出る見込みで他の団体に寄付することなどを検討しています。
中沢維斗さん(11)
ゆうちゃんは現在、定期的な通院を続けていて、学校に通う準備としてオンラインで朝の会などに参加しているということです。
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