まとまって見つかった土器(右の白い管はかんがい用のパイプ)
長野県茅野市豊平の国特別史跡「尖石石器時代遺跡」に続く西側の民有地で、同遺跡の範囲確認調査を行っている市教育委員会は1日、これまでの調査結果を発表した。試掘溝(トレンチ)を設けて調査した結果、食料を入れる貯蔵穴などが見つかり「尖石台地の縄文集落は調査地まで広がることを確認した」との認識を示した。
調査地では住居跡ともとれる遺構が1カ所しか見つからず、土器など遺物も少なかった。このため調査地は「縄文集落の西側の隅っこと思われる資料も得られた」とした。
8月下旬から約3700平方メートルを対象に調査している。市教委によると、住居跡か判断しにくい遺構は踏み固められた土間状の床がある一方、耕作地のためか、一般的な住居跡にある炉の跡や上屋を支える柱の穴が見つからなかったため。仮に円形の竪穴住居だと、直径約3.2メートルになる。
ここからは、張り合わせると完全な形になりそうな浅鉢と深鉢の大型土器片が複数まとまって発見された。他のトレンチからはほとんど土器片が出なかった。
貯蔵穴は数カ所あった。柱穴3カ所は2メートル間隔で南北に並んでおり、平行して三つの穴が新たに見つかれば、建物跡の可能性あるという。調査は今月中旬まで。
遺跡の西への広がりを明らかにする調査は2017年度から始まり3カ所目。文化財課の小池岳史係長は「集落構造を解明する材料につながっている」と話している。
現地説明会は5日午前10時から開く。無料。小雨決行。問い合わせは文化財課(電話0266・76・2386)へ。
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