ポータブル電源を使い、電力を自給自足するオフグリッドハウス
家庭に必要な電力をポータブル電源(持ち運びできる大容量の電力供給機器)で賄うオフグリッドハウスの整備が長野県伊那市横山で進んでいる。ポータブル電源の企画や開発を手掛けるエコフローテクノロジージャパン(東京都)が宿泊施設などとして提供する構想。「EcoFlow House」と名付け、15日にオープンを予定する。自然豊かな環境で手軽に電気を利用できる暮らしの実現を図る。
「オフグリッド」は公共インフラ施設に依存しないで生活エネルギーなどを自給自足する形式を意味する。同社は中国に本社を置き、世界各国に展開している。災害時の電力対策なども踏まえ、自社製品のみによるオフグリッドハウスを計画。既存のライフラインに頼らない生活の形を模索している。
候補地選びに際して伊那市の自然環境に着目。市内企業から協力を得て、横山の山間部を選んだ。住宅は同地にあった鉄筋造りの平屋を再活用。もともとはキャンプ場の避難小屋だったといい、床面積は272平方メートル。6月から改築を進めてきた。
室内には電子レンジや冷蔵庫など生活家電が一般家庭と同様に配備され、同社の発電システムにより利用できる。スマートフォンの充電にも対応。ソーラー発電を取り入れ、環境にも配慮する。
同社はアウトドア志向の家族層をはじめ広く利活用を発信する計画。担当者は「公共の電力がない時でも、快適に生活できる設備を皆さんに使ってほしい」としている。
[/MARKOVE]