満開となった「見守り桜」の下で遊ぶ児童=4月13日、飯島町飯島小学校
1952年に火災に見舞われた長野県飯島町の飯島小学校で、奇跡的に焼け残った一本桜「見守り桜」の伐採について、町は今年度内の実施を予定している。現在開会中の町議会9月定例会に今年度一般会計補正予算案として関連事業費を計上しており、議決されれば学校と伐採日の詳細を詰めていく計画。同校では、桜とのお別れ会も検討している。
推定樹齢90年以上のソメイヨシノ。70年前に焼け落ちる校舎の脇で難を逃れ、いつしか「見守り桜」と呼ばれるようになったとされる。校庭東側に立ち、元気に遊んだり、学んだりする児童を見守ってきたが、近年は樹勢が衰え、枝が落ちるなどの危険があった。昨年10月に行った樹木医の診断を参考に、児童の安全を第一に考え、近いうちに伐採する方針を固めていた。
5日の一般質問では、町教育委員会が桜の伐採後について問う伊藤秀明氏の質問に答えた。同校が児童たちと相談しながら桜とのお別れ会を計画するほか、町教委が伐採後に桜のいわれを記した看板を正面玄関近くに植わる同桜の「2代目」のそばに立てる予定だ。また、伐採した幹の輪切りの展示なども検討する。
片桐健教育長は「子どもたちには、長年学校を見守ってくれた桜との別れを経験し、また次の世代の桜を語り継ぐことで、命が引き継がれていくことを学んでほしいと願う」と話した。
[/MARKOVE]