「さんげさんげ」で木製の神太刀で清めた水をすくい上げる子どもら
長野県諏訪市南澤町で9日、無病息災や五穀豊穣を願う伝統行事「さんげさんげ」が行われた。区内にある阿夫利神社祭典の一環で、小中学生6人が用水路の水を木製の大太刀ですくい上げ、歓声を上げて掛け合いを楽しんだ。
同行事は神奈川県伊勢原市に総本社がある大山阿夫利神社の水行に由来する。「神太刀」と呼ばれる大太刀は長さ3.3メートルと2メートルの大小2本あり、用水路の水を清めてすくい上げ、立ち並ぶ人々に掛ける。水をすくう子どもたちにもご利益があるとされる。
9日の諏訪の最高気温は30.2度。炎天下で「さんげさんげ」と唱える伊藤千春区長のはらえ言葉に合わせて水しぶきが上がり、子どもたちはずぶぬれになりながら笑顔を見せていた。上諏訪小学校4年の児童(9)は「地域の皆さんが元気で暮らしていけるように願いながらやりました。みんなの協力で水がよく飛んで気持ちよかった」と話した。
新型コロナウイルスの影響で一昨年は中止、昨年は神事のみで、子どもたちが水を掛け合うのは3年ぶり。伊藤区長は「伝統行事を大切に引き継ぎ、屈託なく笑う子どもたちの姿を守り続けたい」と語っていた。
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