飯田市の佐藤健市長(左)と長野市の荻原健司市長(右)
次は信州大学が設置を検討している新しい学部についてです。飯田市と長野市の間で誘致を目指す動きが活発になっています。20日は、飯田下伊那地域の「誘致推進協議会」が初の総会を開き、誘致実現に向けて運動を進めることを確認しました。
飯田市・佐藤健市長(20日):
「4年制大学の誘致はこれまでも諸先輩、先人の皆さんがずっと考えてきたけど、いまだ実現に至っていない。ぜひ実現してほしい、その地が南信州であってほしい」
市役所に張られた幕
20日夜、飯田市で開かれた新学部誘致推進協議会の初めての総会。信州大学が情報系の新学部設置を検討する中、協議会は飯田市と周辺自治体、経済団体などが今年1月に設立しました。
4年制大学が無い飯田・下伊那地域にとって、新学部の開設は「長年の悲願」。協議会の会員は1800の個人、団体に上っています。
追い風となっているのが、飯田市内に県内唯一の駅が出来るリニア中央新幹線です。
協議会の会長を務める飯田市の佐藤健市長は「リニア中央新幹線開業で3大都市圏に最も近くなる」と強調しました。
飯田市・佐藤健市長:
「(地元の若者が)選択として地元に残るということが出てくるのは非常に大きなメリット。今日を契機に一層取り組みを強化していきたい」
長野放送
ただ、新学部の誘致は、長野市も目指しています。市内には、既に教育学部と工学部がありますが、新学部は「工学部の分割・再編につながる」とも取りざたされ、市は人材の流出を懸念しています。長野圏域の9市町村や経済団体が参加する協議会を発足させています。
誘致合戦の様相を呈す飯田市と長野市は5月、信大に新学部設置のメリットなどを提案しました。
飯田市と長野市の提案
飯田市は、「3大都市圏に最も近いキャンパス」「デジタル化に伸びしろがある地域で環境が整っている」ことなどをアピール。
長野市は、「市内にIT企業が多く就職の受け皿になる」「市内に複数の大学があり学生同士が交流しやすい」ことなどをあげました。
長野市・荻原健司市長(今月17日):
「長野市は県内でも情報系産業・IT関連企業も多いですし、他の教育機関もある。信州大学の戦略に寄り添う形で、提案させていただいている。是非、長野市に設置するという判断に至っていただければ」
信大はどんな判断をするのか。決着は近づいているとみられますが、信大は現段階で「話せることはない」としています。
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