美濃戸口に開設した春山登山相談所。例年ならにぎわう連休初日だが、悪天候で登山客の姿は少なかった
大型連休初日の29日、諏訪地区山岳遭難防止対策協会(遭対協)は、八ケ岳連峰の美濃戸口と奥蓼科登山口に春山登山相談所を開設した。このうち茅野市玉川の美濃戸口では昼ごろからの悪天候予報を受けて、登山客は例年より大幅に少なかった。遭対協や茅野署山岳遭難救助隊の隊員らが無理のない安全な登山を呼び掛けた。
午前7時から正午ごろまで開設した。例年なら満員のバスやマイカーの駐車場に登山客の姿はわずか。遭対協によると、正午ごろまでに提出された登山計画書は7、8枚だった。隊員らはまばらに訪れる登山客に計画書の提出を促し、悪天候に注意するよう声を掛け、最近の事故状況などを伝えた。山小屋に遊びに来た川崎市の80代夫婦は「転倒や道迷いをしないようにのんびり登りたい」と話していた。
赤岳直下の山小屋「赤岳天望荘」(標高2722メートル)を営む藤森周二さん(57)によると、連休中の予約状況は個人や少人数グループ客を中心にコロナ前の約7~8割まで戻ってきたが、この日は悪天候でキャンセルが相次いだという。
同署によると、24日現在で八ケ岳連峰を含む管内の今年の遭難件数は前年同期比10件増の13件。県内全体で準備や経験不足による遭難が目立つとし、残雪もあるこの時期の春山登山のリスクについて周知していた。
相談所は5月3、4日にも両所に開設する。3~5日には遭対協と同救助隊によるパトロールをそれぞれ日帰りで行う。
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