諏訪大社御柱祭の上社山出しで「川越し」に代わり宮川橋で行われた「御柱清めの水掛け」=茅野市宮川(関係者の許可を得てドローンで撮影)
7年目ごとに行われる諏訪大社式年造営御柱大祭(御柱祭)が2日、上社山出しで幕を開けた。八ケ岳連峰の麓、標高1300メートル近い茅野市、原村境の綱置場から長野県茅野市宮川安国寺の御柱屋敷まで本宮、前宮に建てる計8本の御柱を運んだ。30年ぶりに諏訪大社社有林の御小屋山から授かった大木が里に下った。
今回は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため人力による曳行が中止となった。2本ずつトレーラーで運搬する異例の山出しだったが、沿道には御柱をひと目見ようと、多くの人が法被姿で集まった。感染対策を取りながら力強くおんべを振り、通り過ぎる御柱に待ちに待った大祭への思いを託した。
本来の山出しで最大の見せ場となる木落しと川越しはいずれも行われなかった。それでも宮川橋上では、茅野市の安国寺、中河原、宮川新井、高部の地元4区が奉仕して宮川の水をくみ上げ、お清めの放水を行った。こん身の木やりや力強いラッパ、鼓笛の演奏が響き、祭りの雰囲気を盛り上げた。
感染防止のため、いつも通りとはいかなかった上社山出し。大総代からは「後にも先にもこの形(トレーラーで運搬)での山出しは最初で最後となるだろう」といった声が聞かれた。北島和孝宮司(63)は「多くの皆さんが沿道から応援してくれ、その気持ちがうれしかった。機械力を導入した山出しを受け入れてもらえるか不安もあったが、皆さんが知恵を絞って山出しを盛り上げてくれた。この経験をしっかり記録し、後世のために残してほしい」と語った。
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