温泉旅館の「若女将」になるノエル・ライカーズさん
特集は温泉旅館で働くオランダ人女性です。留学した日本で働くのが夢だった女性。縁あって長野県松本市の企業に就職しこの春、なんと旅館の「若女将」に。今、仕上げの修業中です。
ノエル・ライカーズさん(右)
2月26日―。
「いらっしゃいませ」
着物姿で接客をするノエル・ライカーズさん。オランダ出身の30歳です。
美ヶ原温泉 翔峰(長野県松本市)
ここは松本市の「美ヶ原温泉 翔峰」。美ヶ原温泉屈指の規模で、北アルプスや松本市街地を一望できる露天風呂が自慢です。
北アルプスや松本市街地を一望できる露天風呂
運営しているのは交通、観光、小売などに会社を展開するアルピコグループです。
ノエルさんは社員で去年の暮れ、「翔峰」に配属されました。
客:
「きれいでした。着物が似合ってましたね」
旅館の女将・内城良子さんと共に、客を迎えるノエルさん。実は4月から女将を補佐する「若女将」になります。
ノエル・ライカーズさん
ノエル・ライカーズさん:
「最初はびっくりしました。この私でいいのかなと思っていました。チャンスがあることは、すごいありがたかった」
熱意や日本の文化への造詣の深さが買われての「抜てき」です。
提供 ノエル・ライカーズさん
ノエルさんはオランダ南部の街、ベーク・エン・ドンクの出身。日本に興味を持つようになったきっかけはアニメや漫画ですが、空手や柔道を習ううちに礼節を重んじる日本の考え方にひかれるようになりました。
ノエル・ライカーズさん:
「空手とか柔道につながる考え方、武士道とか、そういうところですよね。そこから歴史とかに興味を持ち始め、歴史から神道、神話の話が出てきたので、そこに結構はまってました」
留学先を探していたところ、安曇野市でホストファミリーがみつかり、松本深志高校に1年、通いました。
ノエル・ライカーズさん:
「日本の文化もそうですけど、日本アルプスが感動しました。ものすごいきれいでした。オランダは山のない国です。その時までは山を見たことがなくて」
留学後もオランダの大学・大学院で、日本語や日本文化を学んだノエルさん。「信州で再び暮らしたい」と、県内企業の就職試験を受けましたが、結果は「不採用」でした。[/MARKOVE]