決議文を読み上げ、御柱祭で暴力団を排除する方針を確認した決議式
諏訪大社大総代会や諏訪大社、諏訪署など令和4年諏訪大社式年造営御柱大祭(御柱祭)に関わる19団体が21日、暴力団排除決議式を長野県下諏訪町の諏訪大社秋宮参集殿で開き、暴力団員や暴力行為をする恐れのある者の参加を禁止するなどとした「式年造営御柱大祭を安全・安心な祭りにするための決議」を表明した。
決議は前回(2016年)に続いて2回目。県が11年に制定した暴力団排除条例を受け、県警本部と諏訪、茅野、岡谷3署が呼び掛けて実現した。今回も諏訪大社大総代会や諏訪大社、上社と下社の曳行組織、諏訪6市町村、県弁護士会、県暴力追放県民センターなどが賛同。下諏訪町区長会が加わり、前回より1団体多い19団体で決議した。
決議内容は前回を踏襲し、▽全ての行事に暴力団員及び暴力行為をする恐れのある者の参加を認めない▽御柱に乗ることができるのは当該御柱に属する氏子、かつ各地区に認められた者であり、それ以外の者の参加を認めない▽勢力を誇示する、行事を妨害する恐れのある者は御柱への接近は認めない―とした。
決議式には約90人が参加。趣旨説明で、県警本部組織犯罪対策課の竹村泰志課長は山口組分裂後の暴力団情勢について「予断を許さない」と警鐘を鳴らし、安全安心な祭りには「関係機関・団体と警察が一体となった暴力団排除の取り組みが不可欠」とした。
続いて、諏訪大社の原弘昌権宮司が「健康にけがもなく、無事に誇り高いお祭りを次の世代に受け継いで」とあいさつ。大総代会の小池沖磨議長は「安全第一で緻密な連携が必要な曳行に反社会的勢力が加われば危険だ」と懸念し、協力を呼び掛けた。諏訪地方の首長を代表し、金子ゆかり諏訪市長は「伝統と誇りを守るために毅然とした態度で圧力に屈しないことが大切。勇気を持って果敢に挑戦する」と述べた。
諏訪署の篠原一則署長は、「前回の御柱祭では決議の結果、暴力団によるトラブルは起きていない」と報告。「心を一つに一致団結して暴力団を排除し、安全安心で楽しいお祭りにして」と語り、警備や取り締まりを強化する姿勢を打ち出した。
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