県企業局のCO2フリー電気を活用した社員レストランの照明(上部)と再生可能エネルギー化をPRする社員=箕輪町のKOA本社
電子部品製造のKOA(本社・長野県箕輪町、花形忠男社長)は、今月から県内全18拠点の使用電力を100%再生可能エネルギーに切り替えた。地球温暖化対策の一環。年間約5万3000メガワット時の使用電力を全て県内の水力発電による電力で賄う。これにより、約2万3000トンの二酸化炭素(CO2)排出削減を見込んでいる。
同社は昨年3月、本社と研究・開発施設、社員レストランに県企業局が運営する水力発電所で発電した電気「信州Green(グリーン)でんき」を導入。さらに今月1日からは上田市や上下伊那地域の生産・営業拠点やグループ企業の電力を、一斉に信州グリーンでんきに切り替えた。
信州グリーンでんきは県内17水力発電所で発電した「信州産電気」(県企業局)。使用時には通常料金のほか、新たな電源開発などに役立てるための費用を負担する。法律上の「温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度」に基づく電力購入量に応じ、CO2排出係数をゼロとしてCO2排出量を算定できる。
同社は今後、県外と欧米やアジアにある拠点施設でも順次、電力の再生可能エネルギー化を進める方針だ。
同社総務センターは「約30年前から『地球あっての人類、人あっての経営』を重んじ、循環型地域社会の実現に取り組んできた」とし、「今回の再生可能エネルギー化は地球温暖化対策が急務となる中で、CO2排出量の低減と電力の地産地消による地域貢献が目的。今後も脱炭素社会実現に向けた取り組みを進めたい」とコメントした。
同社は約20年前から電子部品の製造現場などで省エネルギー推進を本格化。2019年度には中部地方電気使用合理化委員会委員長表彰、20年度にはエネルギー管理優良事業者等関東経済産業局長賞などを受けている。
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