諸井吉彦さんの自宅（長野県安曇野市）
特集は「笑顔の看取り」です。2021年11月のニュースで紹介した長野・安曇野市の末期がんの男性が家族に見守られながら自宅で息を引き取りました。後悔の無い看取りとそれを支えた訪問診療の記録です。
自宅で最期を…コロナ禍の看取りの現場
諸井吉彦さん
長男・浩司さん：
「7、6、5、4…」
お気に入りの帽子を被り家族と写真に収まる諸井吉彦さん。
家族写真の撮影（2021年10月）
この日、県外に住む子どもや孫と一緒に家族写真を撮りました。
諸井さんの遺影を選ぶ
「左が良いよね」
「うそだよ、絶対こっち（右）だって」
みんなで選んだのは諸井さんの遺影です。
赤い服の写真を遺影に選んだ
長女・真由美さん（42）：
「赤の人？」（大勢が挙手）
「ほら、赤じゃん」
孫・陽愛ちゃん（6）：
「昔のじいじ、めっちゃイケメン」
家族写真
諸井吉彦さん（65）：
「みんな心がこもったね、良い写真が撮れた、感無量です。何でもそうですけど、これで最後と思うと極まるものがありました」
諸井吉彦さん
2021年3月、血を吐いて倒れた諸井さん。十二指腸とすい臓にがんが見つかりました。
余命は3カ月程度と診断
9月には十二指腸が破裂。余命は3カ月程度と診断されました。
泣く妻の悦子さんに「運命だから仕方ない」と説き、家族のいる自宅で最期を迎えることを決めました。
家族のいる自宅での最期を決めた
諸井吉彦さん（65）：
「死ぬことに対して怖さはない。どうやって死ぬかに対しての怖さはある。家で死にたかった。家でやっぱり庭を見ながら、お見舞いにたまには来てもらって、家族と話しながら悔いのない…」
諸井吉彦さん
瀬角英樹医師：
「やっぱり痛いのつらいから、あまり我慢しないで相談してください」
瀬角英樹医師の訪問診療
瀬角英樹医師は勤務医時代、自宅に戻れず息を引き取る患者を数多く診てきました。
自宅での看取りを支えるため、2021年4月、クリニックを開き、訪問診療をしています。
瀬角英樹医師
瀬角英樹医師：
「苦痛の緩和、生きることに対する援助ですよね。死ぬんじゃなくて、『最期の日』までその人らしく生きるということを強調しながら、それを支えていくような対応を心掛けています」
妻・悦子さんの誕生日
♪「Happy birthday dear お母さん」
11月12日は妻・悦子さんの誕生日。
諸井吉彦さん（65）：
「はい、お父さんからのプレゼント」
妻・悦子さん：
「お父さんからも？開けていい？見て、サンちゃん、かわいいよ」
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