「ダイモン」の中島紳一郎社長と月面探査車「YAOKI」
特集は小さなメカに託す大きな夢です。来年打ち上げられるアメリカのロケットに、日本製の月面探査車が搭載されます。開発したのは、長野市出身の「エンジニア社長」。世界初の民間月面探査に挑みます。
軽量を追求した2輪の月面探査車 名前は「YAOKI」
月面探査車「YAOKI」
砂の上を2輪走行する機械。手のひらに乗せられるほどの大きさです。一見、ラジコンのようですが、実は世界最小・最軽量の月面探査車。名前は「YAOKI」(ヤオキ)です。
「YAOKI」は来年、月へ行きます。NASAの月輸送ミッションで、アメリカの企業が打ち上げるロケットの月面着陸機に搭載されることが決まっています。
実現すれば、世界初の「民間による月面探査」となります。
「ダイモン」の中島紳一郎社長
開発したのは、宇宙開発ベンチャー「ダイモン」の中島紳一郎社長(55)です。
ダイモン・中島紳一郎社長:
「一つでも無駄をなくすように一番合理的な形状に行きつくことにこだわった。思い一つで月面探査くらいできる時代が来たということを示したい」
中島さんは長野市出身。子どものころから、ものづくりが好きでした。
ダイモン・中島紳一郎社長:
「おこづかいの99%はプラモデルにつぎ込むような子ども時代でした。プラモデルを買って組み立てるというので最初は満足していたんですけど、だんだんそれで満足できなくなってきて、自分のオリジナルを作って組み立てるところに行きつきまして。就職先もエンジニアというのはほとんど一択だった」
被害日本大震災が転機に 「社会に役立つものを作りたい」
NBS長野放送
大学卒業後は自動車関連会社で駆動系のエンジニアとなりました。
転機が訪れたのは2011年。東京出張中に東日本大震災が発生。混乱する街を目の当たりにし、「自分の技術で社会に役立つものを作りたい」という思いに駆られ、独立を決意したということです。
立ち上げたベンチャー企業は、故郷にちなんで「ダイモン」と名付けました。
企業名は故郷に由来 「大きな門を開こうという意味も込めた」
長野市大門町
ダイモン・中島紳一郎社長:
「実家が善光寺の境内で眼下が大門町なんですね。大門町という町名はあるけど、実際に門はない。新しいところにチャレンジするということで、大きな門を開こうという意味も込めまして」
駆動系の技術と知識を生かして風力発電やロボット開発に取り組んでいましたが、5年ほど前から本格的に「月面探査車」の開発を始めました。
こだわったのは「2輪」です。
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