能「羽衣」などの披露があった諏訪市制施行80周年記念市芸術祭の「すわ能」
長野県諏訪市は6日、市制施行80周年を記念し、第43回市芸術祭「すわ能」を市文化センターで開いた。ステージ上に能舞台を設置し、日本を代表する能楽師、狂言師が3演目を上演。約300人が本格的な古典芸能を味わった。
当初は昨年の実施を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で延期になっていた。出演は、観世流の二十六世観世宗家観世清和さん、重要無形文化財総合指定保持者の松木千俊さん、狂言方和泉流の野村裕基さんなど。仕舞「笠之段(かさのだん)」、能「羽衣」、狂言「隠狸(かくしだぬき)」を演じた。
諏訪地域で、親子を対象に開いている能楽教室の講師を務める松木さんは「羽衣」に天女役で出演。漁夫に羽衣を盗まれたことから、漁夫を説得して取り戻し、身に着けて五穀豊穣(ほうじょう)を祈る役どころを、独特の節回しを利かせたせりふや動きで表現した。観客は朗々と響く演者の声に聞き入り、ゆったりした所作に見入っていた。
上演に先立ち松木さんは「コロナで文化、芸術の大切さを痛感している。これからも諏訪の文化向上のため尽力したい」とあいさつした。
佐藤美香さんは6歳の長男と鑑賞した。「子どもは見るのはまだ無理かと思っていたが、見入っていてびっくりした」と話していた。
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