境内に建立された十一面観音700年祭の回向柱
長野県辰野町上島の普門院観音堂で23日、国重要文化財指定の「木造十一面観音立像」造立700年祭(同実行委員会主催)に向け、回向(えこう)柱が境内に建立された。地元住民の手で柱を境内へと引き上げて建立し、入魂・開眼法要を行った。
十一面観音は高さ89.4センチで、カヤを使った一本造りの立像。1323(元亨3)年に仏師妙海が造ったとされ、「信濃の仏像の白眉」と称されている。
回向柱は本尊と糸で結ぶことで柱に触れるとご利益が得られるというもの。住民から寄進を受けたスギを昨年11月に伐採し、乾燥後、22センチ角、長さ4.8メートルの柱にし、香住寺の備前秀俊住職が揮毫(きごう)した。
回向柱の建立は46年ぶり。重機を使って柱を境内に建立した後、住民が見守る中、備前住職が開眼法要を行い、柱に魂を入れた。竹入俊男実行委員長は「地域住民で造立700年を祝い、回向柱と結ばれた観音様と一体となることで皆の願いをかなえてくれると思う」と話した。
700年祭は5月2、3の両日開き、観音の御開帳を実施。2日は僧侶や奉賛会女性部、実行委員会役員らの行列が午前10時に、がおん伝承館をスタート。同10時30分から観音堂で大般若転読と護摩法要を実施。3日は午前10時と午後2時から護摩法要を行う。
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