開幕セレモニーで歌声を響かせる富士見小合唱団。星野富弘さんの「子どものための花の詩画展」が開幕した=富士見パノラマリゾート
障がいを負いながら口で筆をくわえて創作活動を続ける詩画家、星野富弘さんの「子どものための花の詩画展」が22日、長野県富士見町の富士見パノラマリゾートで開幕した。町内開催は4年ぶり。子どもたちにメッセージを届けることに主眼を置き、「子どものための」というテーマを持たせた初の詩画展となる。貴重な原画を含め、未来への活力や生きる力につながる70点の詩画作品を5月28日まで展示する。
町や町教育委員会、関係事業者などでつくる実行委員会が主催し、出生地の群馬県みどり市にある富弘美術館が全面協力する。22日は同館の聖生清重館長を招いて開幕セレモニーを行い、実行委会長の名取重治町長らとテープカット。富士見小合唱団が情感を込めて3曲を披露し、美しい歌声を春風に乗せた。
星野さんは体育教諭時代に頚髄を損傷し、手足の自由を失った。この苦しみ きっと意味がある いつかかならずわかる時がくる-。身近な草花の水彩画には、命の尊さを語ったり、希望を持つ大切さを説いたりする詩が添えられる。東日本大震災が起きた2011年に描いた作品「スズラン」も。富弘美術館によると、詩画展は国内外で約300回開かれてきたが、同作品は初公開となり、町花とする富士見町をその地に選んだ。
名取町長は「生きることやこれから生きていくことに疑問や不安を持ったり、自信を持てなかったりする子どもが少なからずいる。星野さんの詩画に触れ、たとえ1人であっても勇気づけることができたら」とあいさつし、子どもや若者を中心に幅広い世代に鑑賞を呼び掛けた。
午前9時~午後4時(会期中無休)。入場料500円。諏訪地方を含む県内と山梨県北杜市の18歳以下、障がい者手帳を持つ人とその同伴者1人まで無料とする。
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