釜無川沿いにある「リバークリーン富士見」の場内を見学する「じゅんかん育ち」の生産者ら=7日、富士見町先能
長野県富士見町机の合同会社つくえラボは7日、下水道由来肥料を使った循環型農業「じゅんかん育ち」の勉強会で、町単独公共下水道リバークリーン富士見(先能)と、生ごみや下水汚泥などを原料に堆肥をつくる長和町の施設の視察ツアーを開いた。生産者を中心に町内外の14人が参加。下水汚泥などの未利用資源を有効活用する技術や、安全性と品質の確保に向けた各施設の取り組みに理解を深めた。
つくえラボは、福祉と農業を軸に誰もが活躍する地域づくりを目指して活動。住民と一緒に「じゅんかん育ち」の米や野菜を育て、同ブランド名で販売している。一昨年からはリバークリーン富士見の処理過程で生じた下水汚泥も使って製造される汚泥発酵肥料を用いている。
同施設では町上下水道課と運転管理を受託する県下水道公社の職員が下水の処理過程を説明、場内を案内した。重金属については「排出段階に加え、場内で最低2工程の検査をする。肥料になる段階での検査もある」として3重・4重のチェックで安全性を担保していると伝えた。
下水汚泥には肥料の主成分となる窒素やリン、カリが含まれる。ラボの馬淵沙織さんは「原料のほとんどは輸入に頼っている」と説明。下水汚泥の他に、放置竹林の竹や家畜のふん尿、もみ殻、ぬかなどを挙げ、これらの「地域未利用資源」を有効活用して循環型の社会・経済をつくる必要性を強調していた。
汚泥発酵肥料でトマトやキュウリ、町特産のルバーブを育てる高柳昇さん(80)=同町富士見台=は「この春で3年目を迎えるが、作物の育ちもいい。資源循環や堆肥化がどういう形で行われるか実際に目で見て学びたい」。一行はバスで移動し、長和町の生ごみ堆肥化施設を見学した。
[/MARKOVE]