黒部ダムの建設工事を支えた「ビタミンちくわ」
幻のカレー…。今年で70周年を迎えたスギヨの「ビタミンちくわ」。大半が信州で消費される、長野県民おなじみの商品です。その「ビタちく」があの黒部ダムの建設でも重宝されていたことが判明。難工事を支えた、幻のビタちくカレーに迫ります。
【動画で見る】作業員の胃袋支えた”幻のカレー”を再現
スギヨのビタミンちくわ
(アナウンサー)
「県民に知らない人はいない、いわゆるソウルフードであるこちら、スギヨのビタミンちくわ。このビタミンちくわが今年、発売から70周年を迎えました」
客:
「これ、よく買います」
アナウンサー:
「ちくわといったらビタミンちくわですか?」
ビタミンちくわ入りの弁当
客:
「そうですね」
「懐かしい味があるの。(お盆には)天ぷらね、天ぷらやりますよ」
スーパーの西友では、通常の販売の他に甘辛いタレを絡めた「ビタミンちくわ」の弁当を販売。こちらも人気です。
スギヨの工場(提供画像)
ビタミンちくわを製造しているのは、石川県七尾市にあるスギヨの工場です。発売は昭和27年。まだ栄養事情が悪く魚のすり身に、ビタミンが豊富なアブラザメの油を配合したのが名前の由来です。
新鮮な海産物が手に入りにくかった当時の信州で一躍、ヒット商品になりました。今も7割は信州で消費されています。
スギヨ広報・水越優美さん:
「『長野のソウルフードだよ』『小さい時からこれで育ってきたよ』と聞くと、どれだけ長野県民の方々に食べられていたのかを改めて実感して、感謝の気持ちでいっぱいです」
70周年にあわせスギヨは消費者から思い出を募集中。これまでに寄せられたエピソードのなんと8割は、長野県民からでした。
(45歳男性)
「子どものころは、おやつに1本、大人になったら3本です」
(65歳女性)
「長野に嫁に来て45年。実家は千葉で長野に来てからビタミンちくわを食べるようになり、今では食卓に欠かせないもの」
(43歳女性)
「お盆のお供えはビタミンちくわの天ぷらが定番」
黒部ダム
県民の食卓を支えて70年。その節目に「ビタちく」が世紀の難工事も支えていたことがわかりました。
高さ日本一の黒部ダム。困難を極めた建設工事は映画にもなりました。その現場でビタミンちくわ入りのカレーが食べられていたことがわかったのです。
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