御開帳に合わせて公開された光前寺の寺宝「雨乞いの青獅子」
長野県駒ケ根市の光前寺は4月30日、所蔵する寺宝「雨乞いの青獅子」を一般公開した。古くから雨乞いにご利益があるとされる獅子頭で、「御開帳」(4月1日~6月30日)に合わせた特別拝観。本坊の展示会場には多くの拝観者が訪れ、前回御開帳から6年ぶりの公開となる青獅子の表情をじっくりと眺めていた。
青獅子は1620(元和6)年の作とされる木製の獅子頭で高さ25センチ、幅48センチ。日照りが続いて水不足になった際に出せば慈雨をもたらすとの言い伝えがあり、1888(明治21)6月に発生した山林火災や、1924(大正13)年の水不足では大雨を降らせたとされる。
同寺では先代住職の時代から御開帳の最終日に合わせて青獅子を公開してきた。今年は新型コロナウイルスの感染防止対策として御開帳の期間を従来の1カ月から3カ月に延長。分散参拝を呼び掛けており、公開日も6月までの各月末に設けている。
特別拝観では青獅子が水を求めて雨を降らさないように水を供えて展示。この日は朝から多くの拝観者が訪れ、獅子頭の色彩や表情をじっくり観察していた。吉沢道人住職(74)は「普段目にする機会がない青獅子。分散参拝の効果で混雑していないので、のんびりと参拝してもらいたい」と呼び掛けている。
拝観料は500円。青獅子は御開帳期間中の5月31日と6月30日にも公開する。問い合わせは同寺(電話0265・83・2736)へ。
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