コロナ対策の制限を緩和して開かれた今季の高遠城址公園さくら祭り
長野県伊那市は26日、3~4月にかけて開催した同市高遠町の「高遠城址公園さくら祭り」における有料入園期間の入園者数が12万3625人(速報値)だったと発表した。昨年度よりも2万2257人増え、2年連続で10万人を超えた。今季は新型コロナウイルス対策の制限を緩和し、ほぼ通常の形で実施。市は観光客数が回復傾向にあることを歓迎し、「一定の経済効果があり、まちなかのにぎわい創出になった」(白鳥孝市長)としている。
今季のさくら祭りは17日間開催。このうち有料入園期間(3月26日~4月9日)で、無料入園の市民を除く入園者数は10万5656人で、前年度比1万4806人増加。市民は1万7969人で、昨年度より7451人増えた。コロナ禍前の2019年の入園者数(有料入園期間)の16万923人には及ばなかったものの、来園者は着実に戻りつつある。
今季は3月25日に開花宣言が行われ、記録の残る1983年以降では最速。4月1日には満開を迎え、降雨もあって10日に散り終わった。
市はコロナが落ち着きを見せ始め、社会的な対応が変化する中で、観光客を呼び戻すため、入園時の制限を緩和。感染対策は継続しつつ、屋外でのマスク着用は推奨にとどめたほか、園内での飲食は自由化し、期間中はレジャーシートを広げて花見をする人たちの姿も多く見受けられた。
一方で、団体客数は8147人にとどまり、昨年度より3641人減少した。過去最速の開花の影響で散り終わりも早く、来園のタイミングにずれが生じたとみられる。市は開花の早期化に備え、各事業者をはじめ関係者との調整、園内の整備、情報発信などの準備を早めることを今後の課題に挙げた。
26日の定例記者会見で白鳥市長は全国各地にも桜の名所があることを踏まえ「高遠の魅力をさらに広め、通年観光ももっと意識していかなければならない」と話した。
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